蠍は留守です考

蠍の輪郭を見つめてふける思惟の痕跡

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LIVES TOKYO 2017 はたらく・たべる・わらう

2017年9月10日、東京ミッドタウンで行われた LIVES TOKYO 2017 に遊びに行ってきた。自分の周辺ではあまり話題になっていなかったイベントだったのだが、義叔母が、関わっているため、知ることができた。

公式サイトでは、イベントの概要を以下のように説明している。

私たちは、毎日仕事をし、毎日ごはんを食べて、毎日楽しく笑う。
そんな毎日の事が、あたり前と思って生活をしています。
しかし、そのあたり前の事が出来ない人たちがいます。
日本に於いて、そのような人たちは、まだまだ社会に出て生活をする事が難しい環境なのです。
障がいなど多様な個性を持つ事で、皆んなと同じように生活していくことがいかに難しいか。
一人一人の個性が輝き、みんなが一緒になって仕事をし、ごはんを食べて、楽しく笑えるような社会を作っていければと思い、LIVESプロジェクトをスタートします!

LIVES TOKYO 2017 は Midtown Hall A、Midtown Hall B、Canopy Square の3ヶ所でパラレルで大規模に開催されていた。たくさんの出展があったが、特に心に残ったものをいくつか紹介しておこうと思う。

花菱縫製株式会社の車椅子利用者向けオーダースーツ

花菱縫製さんのブースでは、車椅子利用者に特化したスーツ開発の話を聞くことができた。 実際にヒアリングと試作、ユーザーテストを繰り返し、人間中心設計的な開発プロセスを取っている点に感銘を受けた。

花菱縫製株式会社の車椅子利用者向けオーダースーツ

私たちが当たり前だと思っているファッションの楽しみも、すこし状況が変わるだけで急に縁遠いものになってしまう。それを実感している人たちが参加して作ったプロダクトは説得力があるし、希望がある。

そして、この分野は私にとっても誰にとっても他人事ではない。明日からでも必要になる可能性がある分野だ。そういう未来が自分のもとにやってきたときに、選択肢があるということはすばらしいこと。

ファッションは自己表現の手段として、個人の尊厳にも関わる領域だ。もっと様々なファッション分野に広がっていったらいいなぁ。

大和ハウス工業株式会社のロボット事業

恥ずかしながら、大和ハウスさんがそんなにたくさんのロボット事業 を展開しているとは知らなかった。大和ハウスさんの取り組んでいるロボット事業について知ることができたのはよかった。

ブースで直接体験することができたのは、自力での移動をサポートする足こぎ車いすCOGY。株式会社TESSが開発・製造のプロダクトに出資をしている形のようだ。

脚部の麻痺や痛みなどで歩行が困難な方の自力移動をサポートする「足でこぐ」車いすです。片足が少しでも動けば自力での移動ができる可能性があります。

実際に動かしてみると、ちょっとの力でぐいぐい進むし、方向転換も思った以上に小回りがきく。操作感にも違和感がなく、直感的に行きたい方向に向かうことができる。乗り物に乗る楽しみそのものを感じた。

大和ハウス工業株式会社の足こぎ車いすCOGY

残念ながら体験することはできなかったのだが、介護支援用のロボットスーツHAL高齢期擬似体験システムのシニアポーズも展示されていた。このふたつはとても有名だし、存在自体は知っていた。しかし大和ハウスの出資であることは知らなかった。

なぜ大和ハウスさんがロボット事業なのか? と質問をしたところ、家というプロダクトにこだわらず、暮らしをよくすることすべてが大和ハウスの目指す価値創造の対象なのだという答えをいただいた。

左が大和ハウス工業株式会社のロボットスーツHAL、右がシニアポーズ

世の中のメーカー企業はどこも IoT やデータドリブンのプロダクト、サービスに力を入れはじめている。大和ハウスさんの取り組み、提供しているプロダクト・サービスすべてには、なぜそれをやるのかという点に強い説得力を感じた。

企業のミッションとビジネスモデルが一致したうえで、社会をよりよくするプロダクト・サービスを提供できるというのは、本当にすばらしいことだ。まだ私が知らない様々な企業の取り組みについて、もっともっと知りたくなった。

一般義足・スポーツ義足の体験コーナー

模擬義足によって、義足での歩行を疑似体験できるコーナーがあった。義足体験はしたことがなかったので、さっそくチャレンジ。一般的な義足と競技用義足の両方を体験させてもらった。

装着して支えてもらって立つのだが、はじめ重心を捉えるのにとまどった。立ったあとは、どのように脚を前に出せばいいのかわからなくて、サポートしてくださったおふたりに強く体重を預けてしまったりした。

一般用義足の模擬義足を体験しているところ

だんだんと身体の使いかたがわかってきて、腸腰筋から振り出す感じにするのだなという感覚を得た。ただし、普段あまり使っていない筋肉なので、そこを意識して使おうとするだけでも相当に負荷がかかる。 

義足のパーツにもいろいろあり、細部をじっくり見ることができたのもためになった。複雑な機構が歩行の自然な動きを実現しているのだろう。

義足のパーツあれこれ

自分が体験中はただただ必死なのだが、サポートしてくださった方々も皆さん義足の当事者で、だからこそアドバイスとしてかけてくださる声がとてもわかりやすく、安心してチャレンジすることができた。

体験時の様子は動画で見てもらったほうがもっと感じがわかると思う。以下に動画を貼っておく。

 

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Hitomi "TOYA" Yamagishiさん(@hitoyam)がシェアした投稿 -

一般的な義足と競技用義足は感触もまったく違っていて、競技用義足のパワーはすごかった。パワードアーマー的な実感さえあった。

 

experienced artificial legs for sports #artificialleg #experience #challenged #figical #initialexperience

Hitomi "TOYA" Yamagishiさん(@hitoyam)がシェアした投稿 -

そんなこんなで、義足体験はちょっと興奮するほど楽しかった。リハビリの末に義足のトレーニングに辿り着く過程での気持ちの動きを思うと、単純に楽しかったと言ってしまうのは憚られる気持ちもないわけではない。

でももし将来自分が、と考えたときの選択肢がここにあって、しかもどんな感じなのかダイレクトに体験できたというのは、本当にエキサイティングだった。端的に言って未来への希望が増した感じがある。

まとめ

インクルーシブデザインやアクセシビリティーへの関心は確実に高まっていると思う。いろいろなところで関連イベントがあるが、業界が違いの交流はまだあまりないように感じている。

どうしたらそういうものをつないでいくことができるかな。密につなぐ必要はないとも思っているが、疎結合して相乗効果を生むようなつながりかたができるといいと考えている。

そうしたつながりかたは「人」を介してしか行われないとも思っていて、「人」を介して疎につながっていく形やしくみを考えていきたい。


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